◆卓球 ノジマTリーグ(26日、東京・国立代々木第二体育館)
男子開幕戦が行われ、昨季プレーオフ(PO)準優勝の琉球が、同決勝で敗れた彩たまを3―1で破り、白星発進を飾った。1―1で迎えた第3試合のシングルスで、新エースの吉村真晴(31)が、昨季レギュラーシーズン(RS)MVPの有延大夢(30)をわずか約22分、ストレートで破って勝利に導いた。
琉球の新エースがほえた。第4試合で勝負を決めると、吉村はベンチで立ち上がり「ヨッシャー」と両拳を握った。「最高っすね。(彩たまには)昨季決勝で負けてめちゃめちゃ悔しくて。絶対にリベンジしてやると思っていた」。Tリーグ8季目の開幕戦に集まった1569人の大歓声に、笑顔で手を振った。
完勝だった。琉球は昨季決勝で敗れた第1試合のダブルスで先勝。1勝1敗で迎えた第3試合のシングルスは吉村に託された。サーブがさえ、第2ゲーム(G)は2―2から圧巻の8連続得点。第3G中盤はサーブで崩し、3球目に強烈なフォア。
16年リオデジャネイロ五輪で水谷隼らと日本初の男子団体銀メダルの実力者も8月に32歳になる。「いつけがをして引退するか分からない」と体の変化も感じる日々。そこで28年ロス五輪に向け、4月から栄養の取り方などを学ぶ予防医学を月に1度、オンラインで約2時間受講するようになった。試合後の会見では報道陣に“授業”するほどの熱量だ。5月の世界卓球個人戦混合ダブルスで大藤沙月(21)との“大吉ペア”で銀メダルを獲得した。「地道な努力が長く(第一線で)できると信じている。おじさんにならないように」と話すと、田勢邦史監督(43)も「若手の壁に」と期待した。
張本の移籍により、吉村は「僕はミスター琉球だと思っている。
◆吉村 真晴(よしむら・まはる)1993年8月3日、茨城・東海村生まれ。31歳。7歳で卓球を始め、山口・野田学園高―愛知工大卒。2011年アジアジュニアで日本人初制覇。12年全日本選手権男子単で高校生V。16年リオ五輪の男子団体で銀。世界選手権個人戦は混合複で17年金、15、19、25年銀、男子複で17年銅。Tリーグは18―19年に彩たま、19―20年から琉球でプレー。右シェークドライブ型。177センチ。
◆琉球アスティーダ 18年2月に設立。チーム名の由来は「明日、未来」と、沖縄の方言で「太陽」を意味する「ていだ」を合わせた造語で、未来を照らす太陽のようなチームになるという思いが込められている。これまでのレギュラーシーズンの過去最高は昨季の1位で2位は4度。年間王者は2度(20―21年、22―23年)。田勢邦史監督。本拠地は沖縄。
天使の始球式
◎…応援アンバサダーに就任した愛称「卓球天使」として人気爆発中の菊池日菜(21)が始球式。琉球の吉村主将を相手に強烈なフォアを決め、会場の度肝を抜いた。各試合の合間には試合の感想を述べるなど、オープニングゲームを大いに盛り上げた。「(吉村の)サーブからの展開が素晴らしかったです。リードされている場面からも攻めの姿勢が光っていました」と振り返るなど天使級のスマイルが全開だった。