◆大相撲 ▽名古屋場所14日目(26日、IGアリーナ)
新入幕の草野は2敗だった東前頭筆頭・安青錦(あおにしき)を寄り切り、3敗を死守。優勝争いは2敗の琴勝峰と1差で追う安青錦、草野の3人に絞られ、平幕優勝が確定した。
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草野が自力で優勝戦線に踏みとどまった。1差で追っていた安青錦との初顔合わせ。立ち合いは頭で当たり、突っ張って相手の上体を起こした。右を差して左上手を取ると、出し投げで崩して寄り切った。3敗を守り、支度部屋で「絶対引かないと決めていた。止まらず相撲を取れて良かったな」と控えめに喜んだ。
安青錦は持ち味の低い姿勢を発揮し、上位陣相手に5勝1敗と大きく勝ち越していた。13日目の夜、尊富士ら対戦経験のある兄弟子たちと対策を練り、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・照ノ富士)から「止まるなよ」と助言を受けた。「言われた通りの相撲が取れた」。
史上3人目の新入幕Vへ、千秋楽まで可能性を残した。「そこまでできるとは思っていなかった」。想定を上回る快進撃も、昨年春場所で110年ぶりに新入幕で賜杯を抱いた尊富士からは「優勝する気持ちを持たないと、優勝できないぞ」とハッパをかけられている。「気合は毎日入っている。今日みたいに止まらず、自分の相撲を取るだけ」。新十両→十両→新入幕の3場所連続優勝は過去に例がない。24歳が史上初の快挙を目指す。(林 直史)