俳優の松下洸平が27日、自身の有料ファンクラブサイトやSNSを通じて、結婚を発表した。所属事務所によると、お相手は一般女性。

堅実に俳優人生を歩む松下らしい、事前の交際報道などスキャンダルなしのゴールインとなった。

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 いつ、どこで対面しても腰が低く、柔和な雰囲気をさらりとまとう人だ。記者が初めてインタビューしたのは2022年。TBS系「最愛」(主演・吉高由里子)の演技が脚光を浴びた直後で、俳優としての評価も人気も上り調子だったが、約30分の取材で「仕事があるのは当たり前じゃないから」と計5度も繰り返した姿が印象に残った。

 堅実さの裏には苦悩を重ねた20代がある。油絵画家の母を持ち、絵画やダンス、歌も得意で多彩。舞台作品などで確かな芝居力を発揮していたものの、芸能界入り後の10年は大きなチャンスをつかめず、朝ドラのオーディションは3度の落選を経験していた。

 それでも「明確にブレイクしたい。このままじゃ終われない」と、32歳でヒロインの夫役を射止めた朝ドラ「スカーレット」(19年)が転機に。“遅咲き俳優”と評されることには「悔しさをバネにコツコツとここまで続けて来た結果、“咲いた”と言ってもらえることを誇りに思いたい」と穏やかな口調で言葉を紡いだ。

 23年に結婚願望を聞いた時は「温かな家庭みたいなものへの憧れはある。だけど、俳優としてまだまだですから」と首を大きく横に振っていた。

着実にキャリアを積み上げた先で伴侶を得たことに心からの祝福を送り、彩りや深みを増す俳優人生を取材者として追いかけ続けたい。(奥津 友希乃)

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