コロナ禍で2020年2月29日からクロース状態だった東京ディズニーシー(TDS、千葉・浦安市)の屋内劇場ハンガーステージが、5年5か月ぶりに再開した。新プログラム「ドリームス・テイク・フライト」が16日に開幕。
“ヤマネコ”ピートの飛行機工場を舞台に、職人のミッキーマウスらディズニーの仲間たちが歌って踊るステージショー。塗装係・ドナルドダック、道具調達係・チップ&デール、電気技師・マックス。そして、ミニーマウスがパイロット役で華麗に登場する。
ミニーの凜々(りり)しい姿がいい。フライトキャップでリボンが見えないため、ミッキーにさえ見えてくる。運営するオリエンタルランド(OLC)の高橋渉社長(兼)COOが「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」(内閣府)に参加表明した時世にぴったりだ。
ショーの途中では、職人やパイロットの夢想に呼応して、メリダ(『メリダとおそろしの森』)、ポカホンタス(『ポカホンタス』)、モアナ(『モアナと伝説の海』)らが登場する。演出担当の有賀美智さん(OLCショー開発部)は「自分の力で勇敢に人生を切り開いていく女性たちと合わせることで、よりミニーのシーンが深みを増していくと思います」と話す。
ピクサー映画のプリンセスであるメリダとミニーが“競演”するのは異例のこと。メリダのショー登場は同じくコロナで立ち消えになったTDS「ピクサー・プレイタイム・パルズ」以来。それぞれの世界観を壊さないように“2画面”のような演出だが、ミニーと一瞬だけすれ違う。
TDSでは、ブロードウェイ・ミュージックシアターで約20年愛されたショー「ビッグバンドビート」が9月30日に終了し新装予定。来年のTDS25周年「スパークリング・ジュビリー」に向けて、ショー改革が始まった。(酒井 隆之)
〇…TDSドックサイドステージでは、人気だった「ジャンボリミッキー!」に替わって夏の夜の新ショー「ドックサイド・スプラッシュ・リミックス」を公演中。ドナルドらが大量の水しぶきを放つ。ずぶ濡れになって撮影した岡野将大カメラマンは「自分はカメラを守るのに必死でしたが、隣の女性カメラマンは感動して泣いていました」とコメント。