◆大相撲 名古屋場所千秋楽(27日・IGアリーナ)
東前頭15枚目・琴勝峰(25)が、13勝2敗で初優勝を果たし、IGアリーナ初代覇者として歴史に名を刻んだ。3敗の東前頭筆頭・安青錦(21)=安治川=を突き落として、昨年春場所の尊富士以来となる史上38回目(37人目)の平幕優勝。
NHKの解説では中立の立場を守ったが、「琴」の付く優勝力士の誕生に心は躍る。琴勝峰が勝ち名乗りを受けた瞬間、目頭が熱くなった。体当たりの立ち合いから両かいな(腕)で突き放して前に出た。安青錦も左足を前に出して必死に踏ん張ったが、地面にめり込むように倒れた。
11日目に隆の勝を電車道で寄り切ってから琴勝峰の馬力が確実にパワーアップした。体幹が強く、足腰のいい安青錦が簡単に前のめりに落ちるのだから、相当な威力といえる。単なる平幕Vではない。2横綱(豊昇龍は途中休場)がそろい、実力のある三役陣が火花を散らした名古屋。価値がある優勝といっていい。
琴勝峰のパワーアップの要因として弟・琴栄峰の存在がある。