◆第60回関屋記念・G3(7月27日、新潟競馬場・芝1600メートル、良)

 またキング姐さんだ! サマーマイルシリーズ第2戦、第60回関屋記念・G3は27日、新潟競馬場の芝1600メートルで行われ、レイチェル・キング騎手(34)=英国出身、豪州拠点=が1番人気のカナテープを1分31秒0のコースレコードで重賞初制覇に導いた。函館2歳Sに続くJRA重賞6勝目で、女性騎手の2週連続重賞勝利はJRA史上初。

 カナテープは後方4、5番手からラスト600メートル地点で大外に持ち出されると、キングの懸命のゲキに応えるように四肢をフル回転。上がり最速32秒5の切れ味でライバルをまとめて差し切った。「素晴らしい瞬発力を使えるのは分かっていたので、信じて乗った」と胸を張った鞍上に導かれ、12年関屋記念(ドナウブルー)の1分31秒5を0秒5も更新する驚異的なコースレコードで重賞初制覇を飾った。

 6戦ぶりのマイル戦ということもあり、道中は後方からの競馬を余儀なくされたが、キングは冷静だった。「ペースが速かったし、この馬にとっては忙しかったが、折り合いが良かったし、リラックスして走れていたのが最後の末脚につながったと思う。一生懸命に走ってすべてを出し切ってくれました」と賛辞を送った。

 キングは今年2度目の短期免許で19日から騎乗。20日には9番人気のエイシンディードに騎乗した函館2歳Sをレコードで勝利してファンの度肝を抜いたが、2週連続レコードVのド派手な勝ちっぷり。JRAでは史上初となる女性騎手の2週連続重賞Vの快挙にも、「乗ったことのある馬で勝つことができてうれしかった」。自身の結果より、愛着のある馬が重賞ウィナーに輝いたことを喜んだ。

 堀調教師は史上7人目のJRA全10場重賞制覇を達成。JRA重賞通算6勝のうち4勝を同厩舎の管理馬で挙げるキングはカナテープについて、「G3で前回が2着。

今回は勝つことができた。一生懸命に走る馬。次のステップでも楽しめると思うし、また乗る機会があればぜひ乗りたい」と、さらに上を目指せる手応えをつかんでいた。

 今週のクイーンSではフラワーCを勝った3歳馬レーゼドラマで参戦予定。「できれば重賞も続けて勝ちたいと思っています」と意気込んだキング姐さんの快進撃は、まだまだ止まらない。(西山 智昭)

 ◆カナテープ 父ロードカナロア、母ティッカーテープ(父ロイヤルアプローズ)。美浦・堀宣行厩舎所属の牝6歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算17戦5勝。総獲得賞金は1億4291万2000円。重賞初勝利。馬主はCフィプケ氏。

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