◆陸上 全国高校総体 第4日(28日、ホットスタッフフィールド広島)

 男子200メートルのタイムレース決勝で、26日の100メートルを10秒00で制した星稜高の清水空跳(そらと、2年)が第1組で走り、追い風参考記録の20秒39(追い風2・7メートル)で優勝。2冠に輝いた。

公式記録と認められるのは追い風2・0メートルで、今回は参考記録ながらも、日本高校歴代2位相当の好記録。今後、条件が整えば、サニブラウン・ハキーム(東京・城西大城西)が2015年7月にマークした20秒34の日本高校記録の更新も期待がかかる。

 今大会は暑さ対策のため、従来の予選・準決勝・決勝の3ラウンド制から予選・決勝の2ラウンド制に。準決勝進出相当の24人でタイムレース決勝3組で争う。組編成は均等割りで全3組が終了時点で順位が確定した。

 清水は26日の男子100メートルタイムレース決勝で、10秒00(追い風1・7メートル)の日本歴代5位タイの好記録で優勝。2013年に桐生祥秀(京都・洛南高)がマークした10秒01の日本高校記録とU20(20歳未満)日本記録を12年ぶりに更新した。さらに従来のU18(18歳未満)世界記録(10秒06)も更新。9月の東京世界陸上参加標準記録(10秒00)もクリアして「高校生日本代表」も視野に入った。

 一躍、日本のトップランナーに躍り出た16歳は、200メートルも得意としている。

 石川・長田中3年時は、1種目しか出場できない全日本中学校選手権で100メートルではなく、200メートルを選択して優勝した(21秒99、向かい風0・6メートル)。自己ベスト記録の20秒79は日本高校歴代10位タイ。

この日の午前に行われた200メートル予選では終盤に流しながらも20秒97(向かい風0・2メートル)で全体トップ通過した。「順調に走れていると思います。(決勝は)体的に、タイムは狙っていけるのか、というところはありますが、第一に勝つことを目標にいきたい、と思います」と冷静に話していた。

 27日は400メートルリレーのアンカーにも出場した(11位)。「疲労は少しがあった」と言いながらも、200メートルでも快走。その名の通り「空を跳ぶ」ようなスピード感あふれる走りを見せた。

 ◆清水 空跳(しみず・そらと)2009年2月8日、石川・金沢市生まれ。16歳。両親、姉が陸上をしていたことがきっかけで、小学4年生から競技を始める。石川・長田中の3年時は全日本中学校選手権200メートル優勝。昨年、星稜高に進学し、同年7月にサニブラウン・ハキームが持っていた100メートルの高1歴代最高記録を更新する10秒26をマーク。同年の全国高校総体は2位。

今年5月に10秒20、今月4日の日本選手権で10秒19、同26日の全国高校総体で10秒00の高校新記録をマークするなど自己ベストを連発している。「空跳」の名前は走り高跳びの選手だった父・正雄さんが「自分の足で空を跳ぶ」という願いを込めてつけられた。164センチ、56キロ。

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