今年2月の大阪マラソンで2時間6分5秒の日本学生新記録をマークした青学大のエースで主将の黒田朝日(4年)が来春、卒業後の進路先として、GMOインターネットグループ(GMO)に絞ったことが28日、分かった。初マラソンで日本歴代9位(当時、現10位)で走破した逸材に多くの実業団がオファー。
学生3大駅伝で抜群の強さを誇る黒田朝日は原監督に「駅伝男」と呼ばれている。1年時は一度も出場しなかったが、2年時の出雲駅伝でデビューすると、以来、3大駅伝に6大会連続出場。すべて主要区間を担い、区間賞3回、平均区間順位1・83位。特に箱根駅伝では2年時に「花の2区」(23・1キロ)で1時間6分7秒で区間賞。3年時は2区で区間3位ながらも従来の区間記録を超える1時間5分44秒と激走し、青学大連覇の立役者となった。
今年2月には「駅伝男」から「マラソン男」に進化した。初挑戦の42・195キロとなった大阪マラソンで終盤まで優勝争いに加わり、日本人3位の6位と大健闘した。3週間前の別府大分毎日マラソンで青学大の先輩の若林宏樹がマークしたばかりの日本学生記録(2時間6分7秒)を2秒更新する2時間6分5秒でゴール。大会側のコース誘導ミスで10秒弱のロスがあり、実際には2時間5分台で走破した。
大阪マラソンの後、疲労回復に重点を置き、シーズン上半期のビッグイベントの関東学生対校選手権(5月、相模原ギオンスタジアム)は回避。
現在も順調に練習を積んでおり、8月から夏合宿に突入する。エース兼主将として青学大を引っ張っている。「チームとして箱根駅伝優勝が大きな目標です」と意欲的に話す。全力で箱根駅伝3連覇に挑み、学生ラストシーズンを戦い終えた後は「GMO黒田朝日」として、新たなスタートを切る。
◆黒田 朝日(くろだ・あさひ)2004年3月10日、岡山市生まれ。21歳。