◆アイビスSD追い切り(30日・栗東トレセン)

 週末2重賞の追い切りが30日、各地で行われた。サマースプリントシリーズ第3戦、第25回アイビスSD・G3(8月3日、新潟)では、カルロヴェローチェが前走で復活の勝利を遂げた勢いを持続し、栗東・坂路で活気あふれる動きを見せた。

 首を大きく使った走りには活気が詰まっていた。カルロヴェローチェは栗東・坂路を単走。手綱を動かされなくても、前肢を大きく伸ばし、急勾配を駆け上がる。最後も軽く手綱を動かすだけで十分。勢いを保ち、52秒7―12秒3をマークした。

 「先生からは54~55秒の指示だったんですが、今回の方が行きっぷりが良かったです」と手綱を執った黒田助手。体調面に不安はないが、常にメンタル面がネックだったが、去勢後3走目だった前走の安達太良Sを完勝。「返し馬やゲート裏でめちゃくちゃうるさいと聞いていたけど、すごく落ち着いていたんです」。実はこれが担当初戦だったが、2年半ぶりの鮮やかな復活Vへと導いた。

 初の直線競馬になるが、手応えはある。前走の1週前には栗東・坂路で49秒9をマーク。体重が軽い騎手ではなく「僕が乗って49秒台が出るのは初めてです」と極上の感覚に笑みがこぼれる。

須貝厩舎にとっては、史上8例目となるJRA全10場重賞制覇がかかる。「向いているとは思います。最後まで集中して走れれば」と同助手。天性のスピードを最大限に生かし切る。(山本 武志)

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