日本相撲協会は30日、IGアリーナで秋場所(9月14日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開いた。新十両は元幕内・常の山を父に持つ西ノ龍(24)=境川=ら4人。

史上14組目の親子関取はプロレスラーの故・三沢光晴さん制作の化粧まわしで土俵入りする予定。高砂部屋では朝白龍(26)、石崎から改名した朝翠龍(24、あさすいりゅう)が新十両、元大関・朝乃山(31)が再十両で、1年ぶりの関取復帰。1部屋から3人同時の十両昇進は1979年秋場所の佐渡ケ嶽部屋(琴の龍、琴千歳、琴立山)以来となった。

 西ノ龍は夢見心地だった。夏場所は東幕下5枚目で5勝2敗。「朝8時半頃に(部屋で)ゴロゴロしていたら(昇進を)聞いた。まだ実感が湧かない」。史上14組目の親子関取になり、元幕内・常の山の父・下村重和さん(62)に伝えると「今からやぞ」とハッパ。父の最高位、前頭12枚目を「抜きたい」と目標も出来た。

 父は「プロレスリング・ノア」を旗揚げした三沢氏と交流があった。元小結・大善(現・富士ケ根親方)の現役時代に贈呈した化粧まわしを「いつかつけて」と幼かった西ノ龍に託し、09年に46歳の若さで亡くなった。現在も父が営む大阪の飲食店「ちゃんこ 西乃龍」に保管してあり、約束を果たす時が来た。

目標は入幕で「気合で相撲を取っていく」。現在もノア観戦で力をもらう男は闘争心をみなぎらせた。(山田 豊)

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