◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者アントニオ・バルガス―同級2位・比嘉大吾(7月30日、横浜BUNTAI)

 WBA世界バンタム級2位の比嘉大吾(29)=志成=が、同級王者アントニオ・バルガス(28)=米国=と引き分け、WBC世界フライ級王座に続く2階級制覇と国内最長ブランクとなる7年3か月ぶりの王座返り咲きに届かなかった。試合後には「自分の中でも終わりだと思っている。

引退します」と宣言した。

 WBAバンタム級の休養王者・堤聖也(角海老宝石)はリングサイドで見守った。親友でもある比嘉の一戦を「僕はバルガスが勝ってる、倒しきらないと勝てないと思っていた」と分析。比嘉は最終回にダウンを奪われたが「倒されていなかったら(判定で)勝てたんだというのは、逆にサプライズというか。びっくり」と、率直に語った。

 両者は2月に戦い、12回引き分け。堤が初防衛に成功していた。“引導”を渡せなかった一戦に「ほんとに、あの時俺が倒し切ってれば、と思いました。そしたら悔いなく終われたでしょ、と」。今の心境を「悔しいっす」と繰り返した堤は「悔しい。それだけ。マジで、あの時に終わらせておけばこんなことにならなかったのに、と。

あいつも(2月に)清々しくいけたと思う。それも悔しい」とやりきれない思いを語った。

 自身はこの日の試合後、ベルトを肩にリングへ。バルガスと握手をかわした。親友の思いも胸に、堤は「今後自分が活躍していくことで、俺と引き分けた比嘉大吾ってやっぱり強かったんだ、という風になる。それしかないので。そういうボクサーになれるように、頑張るしかない」と今後を見据えた。

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