◆テニス ▽ナショナルバンク・オープン(7月31日、カナダ・モントリオール)
女子シングルス3回戦が行われ、予選から勝ち上がり、2回戦でトップ10を破った世界ランキング110位の伊藤あおい(SBCメディカルグループ)が惜敗した。同51位のジェシカ・ボウサスマネイロ(スペイン)に、勝利まで2ポイントと迫ったが、6-4、5-7、3-6の逆転で敗れた。
伊藤は、自称「へにょへにょテニス」から繰り出される逆回転のスライスやカウンターショットで、相手からうまくミスを引き出す、持ち味のアリ地獄プレーを、この日も展開。相手をかく乱し、わなに引き入れ、第1セットを奪った。
しかし、パワーがなく、一発必中のショットが少ない伊藤にとって、相手がミスをしなくなると、点を取るすべが限られる。ミスを誘われてもパワーテニスをやめない相手に、徐々に押され、防戦に回ることが増えた。最後は課題の走力と体力が落ち、ダブルフォルトなどで力尽きた。
悔やまれるのは、第2セット5-4リードで、40-40のジュース。相手がネットに出て、伊藤は緩いペースのないバックのパスを放った。ミス誘いの伊藤にとって最高の一打だったはずだ。しかし、球はネット上部の白帯にあたり、自分側に落ちた。ネットを越えていれば、相手の足元に球が落ち、返球は非常に難しくなったはずだ。たらればはないが、もしネットを越えて相手がミスをしていれば、マッチポイントだった。
敗れたとはいえ、今大会の活躍で、4日に発表予定の最新世界ランキングでは、100位以内の自身最高位となる2桁に躍進する。