◆札幌市長杯宮の森サマージャンプ大会(1日、札幌宮の森ジャンプ競技場=HS100メートル、K点90メートル)

 男子は小林朔太郎(25)=雪印メグミルク=が274・0点で今季初優勝した。2位は2022年北京五輪複合団体銅メダルの山本涼太(28)=長野日野自動車=で273・6点。

女子は丸山希(25)=北野建設=が合計238・3点で優勝した。

 幸先のいい1勝だ。小林は1回目99メートルで首位に立つと「空中でもスピードが出るように意識した」というジャンプで96・5メートルを飛んで合計274・0点で初Vを飾った。7月27日のサンピラー国体記念(名寄)で3位に入り、好調をキープ。サマージャンプ札幌3連戦の初戦で表彰台のてっぺんに立ち、「勝ち切るのと2位は相当な差がある」と実感を込めた。

 慶大時代までは複合専門で、スペシャルジャンプに本格転向して3季目となった。2位の複合選手の山本とは0・4点の小差決着。「スペシャルジャンプの選手としての意地もあって…」と頂点の座は譲らず。その山本が北京五輪で団体銅メダルを取った当時を振り返り、「あの場に自分がいられなかったのが一番悔しかった」と、様々な思いが去来した。

 来年2月のミラノ・コルティナ五輪の出場枠を自力でつかむ。ジャンプ日本男子が獲得できている五輪出場枠は「3」。北京五輪と同じ「4」に増やすには世界ランクで国内から4人の選手が25位以内に入る必要があり、現時点で小林陵侑ら日本人3人がランクインしている。

 現在、国内4番手の小林は2、3日の大倉山での大会を終えた後に、すぐに欧州での夏の国際大会グランプリに参戦し、出場枠獲得へ一層力を入れる。大きなチャンスを前にして「自分にプレッシャーをかけていきたい」と目の色を変えて飛び続ける。

 ◆小林 朔太郎(こばやし・さくたろう)2000年5月29日、群馬・草津町生まれ。25歳。幼少期にジャンプを始める。複合の選手として群馬・長野原高時代に全国高校総体で優勝。慶大でもインカレやワールドユニバーシティーゲームズを制した。ジャンプでは23年2月の雪印メグミルク杯、23年12月の名寄のピヤシリ大会などで優勝した。24年春に雪印メグミルク入社。171センチ、60キロ。

 ☆女子・一戸くる実(雪印メグミルク=3位。初優勝した7月27日のサンピラー国体記念に次ぐ連続表彰台)「チームとして戦うのは楽しいし、力をもらっている」

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