女子バスケットボール選手として日の丸を着けた桜田ヘッドが、今は指導者として奮闘中だ。2002年度の常葉学園高(現・常葉大常葉高)3年時に総体、国体、ウィンター杯の全国3冠に導いたヒロインが中学世代を教えている。
同高から筑波大に進学。2年時にはインカレVに貢献した。卒業後は実業団のトヨタ自動車でプレーし、主に、SGで活躍。新人王やベスト5も2回受賞し、日本代表にも選出された。わずか4年で現役を引退したあと、結婚、出産で一度は競技から離れていた。
ただ、バスケット界と決別したわけではない。「いつかは指導者になりたいという気持ちがあったので、高校から実業団に行かず、大学を選んだ。5年ほど前に、指導者の話をもらってこのチャンスを逃したら、もうないと思った」。最初はベルテックスのスクールを手伝い、3年前に創部した女子U15のヘッドコーチ(HC)に就任。3人の子を育てるママの念願がかなった。
今は週に5回、基礎から指導している。
中学世代のスポーツを取り巻く環境は、大きく変わってきている。中学の全国大会は縮小傾向で、部活動は閉鎖され、地域のクラブに移行していく流れが加速している。Bリーグ下部組織のベルテックスには、地域の“中核”として注目が集まる。4日からは島田市の旧湯日小学校をリノベーションしたグランピング施設「Glamping&Port 結」で合宿を予定。同施設でのスポーツチーム合宿は今回が初の試みだ。「県内から目標にされるチームをつくりたい」。桜田ヘッドが自らを育ててくれた県バスケ界発展の一助となる。
(塩沢 武士)
◆桜田 佳恵(さくらだ・よしえ)1984年6月5日、静岡市清水区(旧清水市)生まれ。41歳。三保シーガルスでミニバスを始め、常葉学園高3年で総体、国体、ウィンター杯と全国3冠に貢献。