◇プロボクシング▽10回戦(58・1キロ契約) 〇中野幹士(TKO2回1分50秒)ジン・アグアン●(2日、後楽園ホール)

 東洋太平洋フェザー級王者・中野幹士(30)=帝拳=がノンタイトル10回戦で快勝した。フィリピンスーパーフェザー級14位のジン・アグアン(32)=フィリピン=を2回に連打でロープに詰めると、セコンド陣が棄権を申し入れて勝利した。

「正直、出だしは硬かった」と初回は積極的に仕掛けなかった。ただ、2回だ。開始直後に放った左ボディーが「ドスン」という音とともにヒットすると、アグアンの表情は一変。KOは時間の問題だった。

 5月に米ラスベガスでペドロ・マルケス(プエルトリコ)を相手に5度ダウンを奪い4回TKO勝ち。本場のファンにインパクトを残し、凱旋試合となったアグアン戦でも強打を披露。これでデビューから無敗の14連勝。「鉄の拳」のニックネーム通り、13KOという倒し屋だ。

 7月には世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=のスパーリングパートナー務めた。9月14日にWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30)=ウズベキスタン=との防衛戦を控える井上を相手に、計20ラウンド拳を交え、世界トップの技を肌で感じた。「すべてがすごい」という尚弥とは、今後もスパーリングパートナーを務める予定だ。

 4団体すべてで世界ランク入りを果たし、挑戦のチャンスを待っている。

「世界を目指してやっている。強い相手に勝ってチャンスをつかみたい」と言葉に力を込める。そして、最後にこの言葉も忘れなかった。「お母さん誕生日おめでとう」と客席の母へ勝利をプレゼントした。

 戦績は中野が14戦全勝13KO、アグアンは7勝(5KO)3敗

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