◆プロボクシング ▽東洋太平洋スーパーフェザー級(58・9キロ以下)タイトルマッチ12回戦 △王者・波田大和(引き分け)同級5位・神足茂利△(2日、後楽園ホール)

 東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチで、王者・波田大和(28)=帝拳=と同級5位・神足茂利(28)=M・T=は三者三様の採点(115―113、113―115、114―114)で引き分け。波田が苦しみながらも2度目の防衛に成功した。

神足は試合後、意識もうろうとなり、救急車で病院に搬送された。

 サウスポーの波田は、オーソドックスの神足に対し序盤からプレスをかけて強打をたたきつけたが、神足の左リードに苦戦。再三にわたり、右ストレート、右アッパーを合わされた。8回、偶然のバッティングで波田が眉間をカット。10回には偶然のバッティングで今度は神足が眉間をカット。8回終了時の採点は、ジャッジ2者が77―75、1者が78―74といずれも神足を支持していたが、終盤は波田が猛攻を仕掛けて追い上げた。

 波田は試合後の控室で、悔しさをあらわにした。

 「自分の不甲斐なさ、不細工なところ、もやもや、イライラが入り交じったような気持ち。何してるんだろ。みんな見ての通り『おまえ、何してんだよ』という感じです。強いパンチを打とうとした時に、嫌なポジションに(神足の)頭があって当てられなかった。(12ラウンド終了時は)無我夢中で、勝ったか負けたかどうなってたかも分からなかったです」

 リング上では、神足に「オレ、もやもやしてるから、もう1回やろう」と再戦を呼びかけたという。

「相手陣営もファンも納得していないだろうし、自分が一番もやもやしています」

 波田の父は、大相撲の行司・木村寿之介。伯父は元小結・旭道山という相撲家系。世界ランクはWBA同級8位、WBC同級11位につける。前日計量後は「勝ち方っていうのも問われる。ズルズル判定まで行ったら、上(世界)にはいけないのかなと思わせちゃう」とKO防衛を誓っていた。苦しんだ末にベルトは死守したが「本当に言っただけでしね。ダメです」と振り返り、「もう一度ゼロから見直さないと。ただ試合しただけになっちゃう」と唇をかんだ。

 戦績は波田が17勝(16KO)2敗1分け、神足が8勝(5KO)2敗2分け。

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