◆男子プロゴルフツアー リシャール・ミル・チャリティー 最終日(3日、石川・能登CC=7142ヤード、パー72)
3打差3位から出た池村寛世(ともよ、29)=フリー=が1イーグル、6バーディー、ボギーなしの64をマークし、通算24アンダーで逆転。2022年ASO飯塚チャレンジド以来となる3年ぶり3勝目を飾った。
2人で演じ上げた逆転劇だった。池村は、キャディーで妻の琴音さんと抱き合い喜びを分かち合った。「ビッグスコアが出るコースなのでチャンスはあると思っていた。運も味方してくれた」。終盤の6ホールでスコアを5つ伸ばす大まくりで夫婦初優勝。14番パー5で残り258ヤードから7ウッドで2オンに成功し、12メートルを沈めるイーグルでトップに躍り出ると、15番ではチップイン、16番は7メートルをねじ込み後続を突き放した。
今季封印を決めているガッツポーズを、なんとかこらえた。きっかけは2月末だった。2022年賞金王で同学年の比嘉一貴(30)の一言が刺さった。
ネガティブな池村とポジティブな琴音さんとの相性も抜群だ。「力強い味方がずっといる。複数回優勝と賞金王を目指して、2人で頑張っていきたい」。8月生まれの池村と3月生まれの琴音さんは「83」という数字を大事にしている。プレーを終えて「うちらの日じゃん」と笑い合った、8月3日は、2人にとって生涯の記念日になった。(高木 恵)
〇…今大会は能登半島地震の復興支援を目的とした新規大会で、復興支援として、選手会から賞金総額1億円の5%に当たる500万円が石川県に寄付された。大会主催者からは、コース内での募金など計約1305万円が県などに贈られた。優勝賞金2000万円は100万円を寄付するため、通算獲得額には1900万円が加算される。
◆池村 寛世(いけむら・ともよ)1995年8月30日、鹿児島・志布志市生まれ。