◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 フランスの女性騎手ミカエル・ミシェル(30)が昨年に続き、地方競馬の短期免許を取得して9月から南関東競馬で騎乗する。初めて短期免許を取得した20年は30勝の活躍。

その後も日本での騎乗を希望していたが、新型コロナウイルスの影響でかなわず昨年、南関東に戻ってきた。「20年はコロナの影響で最後は無観客開催になった。去年はファンの声援を受けながら騎乗できてうれしかった。今年も戻ることができてうれしい」と語る。

 日本への愛着について、ミシェルは「日本の文化に触れるたびに魅了され、より深く知りたいと思うようになった。日本のファンは熱心に声援を送ってくれる。いろいろな競馬場で騎乗してきたが、日本のファンが一番だと思う。素晴らしい文化が根底にあるからだと思う」と説明する。

 ジョッキーに対するスタンスも理由に挙げる。「欧州はトレーナーの指示が絶対。日本でも指示はあるが、馬の性格などを教えてもらい、乗り方は任せてくれることもある。レース後も騎乗した感触をオーナーやトレーナーが聞いてくれて意見交換ができる」と騎手への敬意を感じている。

 「日本はそれぞれの季節に素晴らしい魅力がある。その季節を感じながら、ずっと日本で騎乗するのが目標」と通年免許取得を目標に掲げる。「JRAにしても地方競馬にしても、通年免許を取得するには技術だけではなく、日本の競馬の法律や知識、そして日本語の習得も重要。とても難しいけど、諦めず努力を続けたい」。固い決意と柔らかな笑顔で、ミシェル騎手は夢の実現へ歩む。(地方競馬担当・松井 中央)

 ◆松井 中央(まつい・なかお) 東京都出身。中央競馬担当を経て24年から現職。勝負レースは少頭数の2歳新馬戦。

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