3日の新潟4R・2歳新馬戦(芝1600メートル)は、モーリス産駒のプロメサアルムンド(牡、美浦・国枝厩舎)が、単勝1・5倍の圧倒的1番人気に応えて初陣を白星で飾った。勝ち時計は1分34秒9。

18、20年のJRA年度代表馬で殿堂入りした名牝アーモンドアイの2番子が、夢の膨らむ走りを披露した。

 伸び脚にあわせてスタンドから拍手と歓声が沸き上がった。五分の発馬から道中は中団の8、9番手に構えて、直線で外に持ち出すと、上がり最速33秒2の末脚を発揮。最後は内から伸びる2着馬に首差まで迫られたが、センスあふれる立ち回りが光った。母の主戦も務めたルメールは開口一番、「やった!」と満面の笑み。続けて「アーモンドアイの子は特別(な存在)です。母と一緒ですごく賢い馬。伸びしろがあるので楽しみです」と声を弾ませた。

 母も手がけた国枝調教師は、会心の勝利に喜びもひとしおだ。偉大な母は同じ新潟の新馬戦で2着に敗れており、半兄アロンズロッドは初勝利まで4戦を要していた。「何とか勝ててよかった。あとは順調に秋へ行きたいね」と、“一発回答”に笑いが止まらなかった。

 視線の先には年末のG1の大舞台を見据えている。馬主のシルクレーシング・米本昌史代表は「国枝先生と一緒にG1を勝つためには取りこぼせないので、ホッとしました。楽しみです」と興奮気味に喜んだ。来春に定年引退が控えている名伯楽とフィナーレを飾るにふさわしいドラマが始まった。(坂本 達洋)

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