3日に閉幕した水泳世界選手権(シンガポール)の競泳日本代表が4日、羽田空港に帰国した。33人が臨んだ今大会、日本は女子400メートル(M)個人メドレーの成田実生など銀3個、銅1個の計4個のメダルを獲得。
男子200M自由形では18歳の村佐達也(イトマン東京)が1分44秒54の日本記録をマークして3位。50M平泳ぎ予選では、谷口卓(GSTR―GP)が26秒65の日本新をマークし、パリ五輪イヤーの昨季はゼロだった日本記録が2つ生まれた。自己記録を更新した選手も33人中8人。23年世界水泳福岡(5人)と24年パリ五輪(1人)を大きく上回り、倉澤委員長も「全体的には、底上げができている」とうなずいた。
「悔しい気持ち」については「7割近くの選手は、ベストパフォーマンスが出来ていないということ」と、惜しくもメダルを逃した種目や決勝、準決勝を逃した種目もあったこと。女子100M平泳ぎでは、鈴木聡美(ミキハウス)が0秒14差の4位。同50Mバタフライでは平井瑞希(TOKIOインカラミ)が0秒01で決勝を逃すなど「水泳界では9番、17番というのは取ってはいけない数字と言われているが、そういうところが多かった」と反省点を挙げた。
個人の強化と共に、世界の表彰台から長く遠のくリレー種目の強化も急務。倉澤委員長によれば、自由形については「今年度の下期に、リレー強化合宿を計画している」という。ジュニアを含めた代表選手を集め、切磋琢磨を図る。
主将には池江璃花子(横浜ゴム)を指名。倉澤氏は「特に大会期間中は、いろんな行動の指示などをグループチャットで流してチームを鼓舞したり、応援席でゴミを拾って帰ろう、率先して若手から動こうなど、キャプテンから指示が出ていた」と明かした。最後の全体ミーティングでは、選手側の意見をスタッフ陣に代表して伝える役割も担ったという。倉澤氏は「我々もストレスなく、選手もストレスなくチームを運営できたかなと思う。感謝しています」と述べた。
一定の結果を残したが、世界ではレースの高速化が進む。特に男子100Mバタフライなどでは、顕著にレベルが上がった。倉澤氏は「男子の800Mリレーでも、決勝ラインは予想より2秒ほど速かった。メダルを取るには、村佐選手のメダルに喜んではいられないということ。もっともっと、層を厚くしていかないといけない」と表情を引き締めた。