中村鶴松(30)が、9月18、19日に東京・浅草公会堂で自主公演「鶴明(かくめい)会」(全3公演)を開催し、「仮名手本忠臣蔵 五段目・六段目」と「雨乞狐」を上演する。
2022年以来、3年ぶり2度目の開催。
一般家庭から部屋子として歌舞伎界に入った若手のホープ。血筋が優先される世界で20代前半の頃は壁にぶち当たり、「自分は歌舞伎役者として必要な要素を何も持っていない」と悩んだことも。葛藤を抱えながら地道に努力を続け、昨年2月の歌舞伎座で「新版歌祭文 野崎村」のお光を好演。部屋子としては異例の主役を演じて「殻が割れて、むけてきた実感があります」と手応えを語る。
「自分の会で認めてもらい、その演目を歌舞伎座でやるのが理想的な形」。自主公演がゴールではなく、さらなる未来を見据えている。(有野 博幸)