◆米大リーグ ドジャース5―1ブルージェイズ(8日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が8日(日本時間9日)、本拠地・ブルージェイズ戦に「1番・DH」で出場。通算218勝のレジェンド右腕M・シャーザー投手(41)からマルチ安打を放つなど、3安打の固め打ちを見せた。

猛打賞は6月15日の本拠地・ジャイアンツ戦以来44試合ぶり、今季9度目となった。現役初となる3年連続40本塁打は次戦以降に持ち越しとなったが、チームはカード頭を白星で飾った。

 垂れ込める暗雲を一掃した。大谷がレジェンド右腕を攻略した。5回2死。カウント2―2からの5球目、低めスライダーを振り抜いた打球が右中間最深部で高く弾み、スタンドに飛び込んだ。通算218勝右腕シャーザーからマークしたエンタイトル二塁打。直前にスタートを切った一塁走者のパヘスが、一邪飛で帰塁が遅れて戻れず併殺になる悪い流れを変えると、続くベッツに24戦ぶりの一発となる逆転2ランが飛び出した。

 リベンジを果たした。シーズンでは2度目の対戦。前回はエンゼルス時代の23年8月14日(同15日)、敵地・レンジャーズ戦で2三振を含む3打数無安打に封じられ、通算213勝目を献上した。だが、この日は初回の中前安打を含むマルチ安打を見舞った。

シャーザーは5回の大谷、ベッツへの2球をターニングポイントに挙げ、「あの2球が試合を分けた。わずかなミスでもやられてしまうことを見せつけられた。悔しい。勝ちたかった」と完敗を認めた。7回にも跳び上がった一塁手のミットをはじく高いバウンドの安打を放ち、44戦ぶり今季9度目の3安打固め打ち。2得点を記録し、リーグトップ独走の今季108得点となった。

 最初の対戦は、球宴史上初めて投打二刀流で出場した21年7月13日(同14日)のオールスターで実現した。「1番・DH」として初回先頭で迎えた1打席目に、「ずっと見ていた投手」と憧れだったレジェンド右腕と対戦。大谷は「なかなか(球種が)分かっていても打てない球が多かった。フォームも独特で距離が取りにくい感じだった」と二ゴロに抑えられた。当時は簡単に封じられた殿堂入り確実の右腕からの安打は、胸中に感じるものもあったはずだ。

 快勝を飾ったチームは貯金18で地区2位のパドレスとゲーム差を3に広げた。

大谷は2戦連発とはならず、ジャッジ、スタントン(ともにヤンキース)もいまだに達成してない3年連続40本塁打は、次戦以降に持ち越しとなったが、打率も約1か月ぶりに2割8分に復帰。「我慢強く打席を送れるかが大事。毎日同じことをやりながら感覚の違いを探る作業を一日一日、限られた時間の中で大事にしている」と語っていた二刀流。また一つ壁を越え、さらなる上昇気流に乗っていく。(竹内 夏紀)

編集部おすすめ