◆JERAセ・リーグ 阪神6―2ヤクルト(9日・京セラドーム大阪)

 8回はヤクルト・小沢が制球を乱したとはいえ、木浪がよく我慢して四球を選んだ。今季は打撃の状態が上がらずに苦しんだが、前日の8日も代打で中前安打。

いきなりスタメン起用はないかもしれないが、また遊撃争いに戻ってくれば、チームが活性化する。

 ポジション争いといえば、「8番・左翼」で先発した高寺も光った。2回にファウルで粘った末にフルカウントからの9球目を左前安打。4回も追い込まれた状況で右前にクリーンヒットを放った。8回の四球も含めて、ボールの見極め、安定したスイング軌道に非凡さを感じる。試合をこなす中で、着実に成長している印象だ。

 チームの軸を固定する藤川監督だが、左翼だけはあえて競争を促している。高寺に加え、前川、中川、豊田、熊谷らが必死に競っている状況だ。左翼・森下、右翼・佐藤輝の布陣を敷いた時期もあったが、外野の一枠が空いている方が若手の励みになる。残り40試合で、頭一つ抜け出す存在が出てくるかが楽しみだ。(スポーツ報知評論家)

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