巨人の井上温大投手(24)が「長嶋茂雄終身名誉監督追悼試合」として開催される16日の阪神戦(東京D)で先発することが10日、分かった。長嶋さんが背負った背番号「3」のユニホームを選手や首脳陣全員が着用する特別な試合。

左腕が、重圧を吹き飛ばし、ミスターへ勝利を贈る。

 井上が栄光の背番号「3」を着用し、天国から見守るミスターへ、勝利を届ける。16日に行われる阪神戦(東京D)は6月3日に89歳で死去した長嶋さんの追悼試合。大事な一戦の先発が2軍で調整中の若き左腕に託された。当日は長嶋さんの現役時代の背番号で、球団の永久欠番「3」のユニホームを監督、コーチ、選手全員が着用し、試合球や塁ベース、マウンドペイントなどが特別仕様となる。

 左腕はここまで16試合に先発し3勝6敗、防御率3・31。7月31日・中日戦(バンテリンD)で4回1/3を3失点し、1日に出場選手登録を抹消され、この日はG球場で行われた2軍残留練習で体を動かした。過去にミーティングなどでミスターの姿を見たことはあったが「すごい人っていうのは知ってるんですけど、遠すぎて」と、雲の上の存在だった。しかし、7回6安打無失点で今季初勝利を挙げた4月15日のDeNA戦についてスポーツ報知に掲載された長嶋さんのコラムで「若き井上が引っ張った。顔つきからたくましくなったな」と、評価されるなど期待をかけられていただけに、大事な日に力投で応えたい。

 負けられない試合で重圧に打ち勝ってこそ強くなる。“師匠”の内海投手コーチは現役時代、2013年5月5日、試合前に長嶋さんと松井秀喜氏の国民栄誉賞表彰式が行われた広島戦で先発し、8回4安打無失点と好投し「絶対に負けてはいけない試合で緊張した」と語っていただけに、井上も同様に糧としたい。

 10日のDeNA戦は雨で流れたが、11日から始まる中日3連戦(東京D)は、予定通り、戸郷、森田、田中将がそれぞれ中5日で先発。15日からの阪神戦(東京D)は山崎、井上、赤星となる見込みだ。収穫の秋にミスターへ、吉報を届けるためにも、総力戦で戦い抜く。

編集部おすすめ