女優の橋本愛がNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(日曜・後8時)に主人公・蔦屋重三郎の妻・てい役で出演している。このほど取材会に出席し、作品にかける思いなどを語った。
今作で4回目となる大河出演に橋本は「またご縁があるのがすごくうれしいなって。これだけ(放送期間が)長い作品もないですから、役柄に対しての愛情が段違いなんですよね」としみじみ。「今まで演じてきた役が大好きで、魂が残ってるなと日常生活で感じるくらい心に刻まれる。長い作品を集中して演じられるのはうれしいし、ありがたいです」と喜びをかみ締めた。
また、「大河出演は歴史のことだったり勉強になっている」とうなずく。これまでの出演を通して「所作がすごい勉強になる。所作指導の先生におしえてもらってタスキの付け方とか畳の歩き方とか、本当にゼロから教えてもらった」と感謝した。
ただ、4度目の出演にして「今回、所作指導がなくなったんですよ」と明かす。今作の撮影前には自ら日本舞踊の教室に通うなど、礼儀作法の奥深さに魅了されており「着物の着こなしとかがまだまだですけど、最初よりはできてるかなと。身体表現が好きなのですごく楽しいです」とのめり込んでいる。
一方で、4回の出演のうち主人公の妻を演じるのは今回で3度目。「どこかで飽きられないかなとか、否定的な気持ちを抱かれる方もいらっしゃるだろうなと思う」と不安な胸の内も漏らした。
それでも、自身の元に寄せられる前向きな反響を目にしたことで「安心しました」と笑顔を取り戻す。「どれだけたたかれるのかなと思ってたので」とジョークを飛ばしつつ「脚本でちゃんと愛すべき人として描いてくれたのがうれしかったですし、それに対して誠実に演じたのが視聴者の方に伝わったのがうれしかったですね」と胸をなで下ろした。
「べらぼう―」は、浮世絵や本の出版に携わる蔦屋重三郎の物語。自身も読書家でコラム執筆も行うことから「(本を)読んだ人の人生を豊かにするんだっていうは、私自身が実感を持って大切にしていること」と親しみを口にする。今作にかける思いについて「本や映画や、エンターテインメントによって人生を豊かにしてもらった恩がある。作る側として作品が誰かの人生にとって少しでも豊かになる力を持っていることを知っているからこそ、そこにいつも誠意を持って作品作りをしています」と責任感を込めた。
3度目の妻役ということもあり、ベテランの風格さえも漂うが「主人公の妻は最後だと思ってる」とニヤリ。最後は取材陣に促されつつ「次は主人公でお願いします!」と本音ものぞかせていた。