部内での暴力事案が判明していた広陵(広島)が10日、兵庫・西宮市内で会見し、第107回全国高校野球選手権大会(甲子園)の出場辞退を発表した。同校の堀正和校長が大会本部に辞退の意向を申し入れ、受理された。
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ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、広陵の出場辞退の理由の一つとなったネット上の誹謗(ひぼう)中傷について「ここ数年、SNSによる情報の拡散速度は急激に上がっている。主にX、LINEを使い、事実無根の話や臆測などが交じって広がってしまいます」と指摘した。
今回、SNSには7月下旬ごろから「野球部内でいじめがあった」とする投稿があり、その後も断続的に続いた。7日の広陵の試合中継は午後7時半ごろから始まっている。井上氏は時間帯などから一気に関心が集まり、SNSでトレンド化するなど、騒動に拍車がかかったと分析する。「これまでの傾向から言えば、いじめ、パワハラ、セクハラは最も炎上しやすい事案です」とした上で「対応を間違えると、組織は大きなダメージを負います。今回のように収拾がつかなくなりますので、初動対応が非常に重要になってきます」と語った。