◆JERAセ・リーグ 阪神5―2ヤクルト(10日・京セラドーム大阪)

 佐藤輝の本塁打は、バットの先っぽで上がりすぎたかなと感じたが、楽にフェンスを越えた。ちょうど1週間前の3日(神宮)に、3打数ノーヒットに抑えられた奥川から、まさにリベンジの一発。

打ちあぐねていたスライダーを見事に捉えた修正力は、さすがだ。夏場に入ってからは「3冠王も狙える」と言い続けてきたが、さらに成長を感じるシーンがあった。

 初回の一塁線を破る先制打では二塁までの走塁が抜群だった。打球はフェンスまで届いていなかったが、悠々とセーフ。さらに一塁走者だった5回にも、大山の中前安打でスライディングもせずに三塁に到達した。元々、身体能力が高く、脚力も秀でていたものの、守備や走塁で油断や隙があった。だが、今季は走攻守に集中力が違う。打つだけではない佐藤輝に、充実感が漂っている。

(スポーツ報知評論家)

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