フランス2部Sランスの日本代表FW中村敬斗が、クラブに移籍希望を伝えたことが10日、わかった。11日に行われるアミアンとの開幕戦を前に、現在はチームの練習に合流しておらず、欠場が決定的。
23―24年シーズンにオーストリア1部LASKリンツからSランスに加入した中村は、左ウィングの主力としてプレー。1年目はリーグ戦4ゴールにとどまったが、2年目の昨季はフランス1部で日本人初の2けた得点となる11ゴールを挙げる活躍を見せた。しかし、夏の移籍市場で主力を複数名放出したチームは低迷。中村はシーズン終盤、手の甲の骨折や足裏の負傷などを抱えながら、チームの強い要望もあって痛み止めを服用して出場を続けたが、入れ替え戦の末に2部降格となった。26年北中米W杯への出場を目指す中村は、5大リーグ挑戦の機会を与えてくれたSランスへの感謝も持つ一方、自身のキャリアを熟考し、クラブに移籍を志願したとみられる。
一方で、今季は1部昇格が最重要課題となるSランスは、エース格に成長した中村の残留を望み、他クラブからのオファーにも交渉にすら応じない状況。しかし、チームには昨季の負傷から復帰したFWダラミー、FWカドラ、若手のFWディアコンら、左ウィングの代役となる選手は数々控えている。それでも移籍を拒む強硬な姿勢に中村サイドも困惑し、両者の話し合いは平行線をたどっている。7月末から8月にかけて行われたSランスの日本ツアーには体調不良で不参加となった中村は、移籍交渉が進まず、大きな心労を受けている模様。現状ではクラブ、中村、両者ともに不利益となる状況が続いており、一刻も早い解決が待たれる。