◆第107回全国高校野球選手権大会第6日▽1回戦 東海大熊本星翔―北海(甲子園)

 第107回全国高校野球選手権大会(甲子園)に2年ぶり出場の北海(南北海道)は、第6日第2試合で東海大熊本星翔と対戦する。試合が順延となった10日は、甲子園球場の室内練習場で調整した。

3日連続順延となった2021年夏の経験も活かし、初戦に備える。

 北海ナインは午前8時40から約1時間半、フリー打撃や投球練習で汗を流した。10日以降も悪天候が予想される中、平川敦監督(54)は「(順延は)こればっかりはどうしようもない。(選手は)いい状態できている」とうなずいた。

 ソフトバンク・木村大成、巨人・大津綾也らを擁して出場した21年夏は、連日の雨で1回戦が3日連続順延。当初の予定から3日遅れで神戸国際大付(兵庫)と対戦し、1―2で敗れた。大会期間中は約2時間の割り当て練習のみで運動量が落ちることから、今年は3年前の経験も踏まえてベンチプレス、スクワットなどの器具を持ち込み、宿舎でも精力的にトレーニング。自校の設備と近い環境で調整を続けており、指揮官は「ここまできたら(順延は)1日も2日も変わらない。体調管理の維持だけ気をつけてやりたい」と力を込めた。

 体のコンディションだけでなく、精神面も準備万端だ。遠征中、高校生にとっては生活必需品ともいえるスマートフォンを回収するのが同校の伝統。練習以外は宿舎の自室で過ごす時間が多くなるが、ストレッチをするなどして野球に集中する環境を整えている。

 札幌を離れてから約2週間。“デジタルデトックス”の効果について、佐藤瞭磨主将(3年)は「みんなで一緒に生活する機会はなかなかないので新鮮ですし、貴重な時間。自分としては携帯(スマホ)はいらない。野球に集中できている」。天候に体も心も乱されることなく、万全の体勢を整えていく。(島山 知房)

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