◆米大リーグ マリナーズ―レイズ(10日、米ワシントン州シアトル=Tモバイルパーク)
メジャー通算3089安打を誇り、アジア人選手として今年1月に初めて米野球殿堂入りを果たしたマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(51)が10日(日本時間11日)、本拠地・レイズ戦の試合前にTモバイルパークで会見に臨み、日米の報道陣に対して約36分の取材に応じた。
前日9日(同10日)には背番号「51」の永久欠番式典に出席。
現役を引退した2019年には「世界一の選手にならなきゃいけない」と話すなど、これまでもドジャース・大谷翔平投手(31)について期待してきたイチロー氏はこの日、改めて大谷への思いを口にした。
「やっぱり日本人の代表として引っ張っていってほしいです。それは変わらないですね。元々大谷選手の場合は世界を見据えて高校生の頃からかな。それが目標だったか夢だったかそれは分からないですけど。見据えてた場所が全然違うので、僕と比較した場合に。僕はまず日本のプロ野球選手になること、そこから本当に小さいことを積み重ねてきた結果だったので。もう全然スタートが違うんですよね。持ってるものも全然違うし、花が開けば、花が咲いた時には大きなものになることは誰の目にも明らかだったわけで。もう今の立場になってそれをさらに昇華していく。
しかし、こうも続けた。
「もう一つ、今残念なのは野手がいないこと。僕が25年、こっち(米国)に来てたつんですけど、投手は何人かいます。DHも何人かいます。野手がいないのがなかなか僕としては残念なところですね。やっぱり日本人の守備というのは大きな武器だと思っていたので、僕は。それが見られないのは残念な点ではあります。数が増えたようには見えるものの」
大谷、そして今季は鈴木誠也(カブス)、吉田正尚(Rソックス)もDHが主戦場。外野手として10度のゴールドグラブ賞に輝いた名手・イチローの目には守備で魅了する日本人選手が少ないことは物足りなく映っているようだ。