◆JERAセ・リーグ 広島―阪神=雨天中止=(11日・マツダスタジアム)

 広島の新井貴浩監督が、現役時代に広島の黄金期を支えて10日に77歳で亡くなった水谷実雄さんを悼んだ。

 阪神時代の13年に打撃コーチとして指導を仰いだ。

1年間だけだったが、当時の記憶は鮮明に残る。

 「厳しい方だったけど、愛情のある方だった。自分は、そのときは36歳ぐらいだったけど、叱ってくれるときは叱ってくれた。本気に叱ってくれるコーチでした」

 水谷さんは広島、阪急(現オリックス)で強打者として活躍し、中日、阪神などでコーチを務めた。現場を離れていた間は、兵庫・西宮市で「鶏処だれやみ」を経営した。

 「水谷さんが辞められた後に、食事に行きましょうと。そこで水谷さんがカープの選手だったときや、バッティングコーチをやられていた時の話をたくさん聞かせてもらって、その時のうれしそうな顔が思い浮かびます。お酒が大好きな方で、娘さんに『飲み過ぎ!』って怒られていた。すごく楽しかったことを思い出します。本当に心からご冥福をお祈りします」

 ◆水谷 実雄(みずたに・じつお)1947年11月19日、宮崎県生まれ。宮崎商から66年ドラフト4位で広島入団。75年の優勝に貢献し、78年に首位打者。

82年オフに加藤英司との大型トレードで阪急に移籍。83年に打点王。84年開幕戦の頭部死球の後遺症から完全復活できないまま、85年限りで現役引退。その後は6球団でコーチを歴任し、広島で前田智徳、95年に監督代行も務めた近鉄では中村紀洋を育てた。通算成績は1729試合出場で1522安打、244本塁打、809打点、打率2割8分5厘。ベストナイン1度。

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