欧州サッカーの5大リーグでスペイン、イングランド、フランスが15日(日本時間16日)に開幕する。来年6月開幕の北中米W杯を控える25―26年シーズン。
◆豊福晋通信員が「占う」スペイン 久保の得点力が問われる
6月に24才になった久保はスペインリーグで7季目を迎えることが濃厚だ。Rソシエダードは長期政権(6年半)を築いたアルグアシル監督が昨季で退任し、中核だったMFスビメンディも英プレミアのアーセナルに移籍。年齢でも実績でもチームの中心となった久保にとって今季の命題はいかに得点を増やせるか。本人も「プレーの質にもこだわりつつ、点を取るという、両方をやっていけたら」と言い切る。
昨季はドリブル成功数でリーグ6位(75回)と健闘し、右サイドを中心に度々好機を作るも肝心の得点は5にとどまった。Rソシエダード加入後の得点は9、7、5と年々減少しており、数字の面では物足りなさが否めない。チーム力低下が顕著で得点減は久保だけの問題ではないが、目標とするビッグクラブへの移籍、日本のW杯上位進出へ2ケタ得点を実現させたい。
初戦は敵地バレンシア戦(日本時間17日4時30分)。今季就任したフランシスコ新監督の下では、これまでの右サイドだけでなく中央でもプレーするはず。
優勝争いは今季もバルセロナとRマドリードの一騎打ち。昨季王者バルセロナは18才の天才FWヤマルに注目が集まるが、攻撃を司るのはMFペドリ。存在感を放つことができれば連覇も近い。Rマドリードはドイツのレバークーゼンで欧州を席巻したシャビアロンソ監督のスペイン復帰1年目の采配は見ものだ。
◆森昌利通信員が占うイングランド 三笘薫のフィジカル強化に期待
5人の日本人で、最も注目したいのが三笘薫だ。今夏のビッグクラブ移籍がうわさされたが、今季もブライトンで開幕を迎えた。3季目となった昨季は日本人選手として初の2ケタ(10)ゴールを記録。2月14日のチェルシー戦でロングボールを見事に収め、神懸かり的なタッチで決めたゴールは昨季リーグのベストゴールに選ばれた。
名実ともに一流アタッカーの仲間入りを果たしたが、「もっと高い目標を設定していました。
日本代表主将のMF遠藤航は、優勝候補のリバプールで役割は昨季と同様、試合終盤での守備固め『クローザー』からスタートするだろう。出場機会が限られれば、コンディション維持が課題になる。名門の中でリーダーの一人と認められ、経験値などで克服する可能性も高いが、W杯を見据えて出場機会が増えることに越したことはない。
守備的な役割が増えるが、MF鎌田大地はクリスタルパレスで常時出場ができそう。昇格したリーズのMF田中碧、名門トットナムに加入のDF高井幸大がどこまで成長するのか楽しみだ。
◆フランス 昨季3位のモナコで6得点の日本代表MF南野拓実は、プレシーズンでは主将マークを巻くなど今季も中心選手として期待される。元フランス代表MFポグバら新戦力とともに、5連覇を目指す欧州王者・パリSGの牙城を崩しにかかる。スイス1部グラスホッパーからルアーブルに加入した同DF瀬古歩夢は初の5大リーグ挑戦。
◆ドイツ 今季も5大リーグの中で最も多くの日本人がプレーする見通し。MF堂安律は、フライブルクからフランクフルトへ。王者バイエルンDF伊藤洋輝とともに、欧州CLに挑戦する。DF町田浩樹はホッフェンハイム、MF藤田譲瑠チマはザンクトパウリ、MF鈴木唯人はフライブルクに、それぞれステップアップ。W杯では、直近3大会でドイツ在籍選手が得点を挙げている(14年/岡崎慎司、18年/香川真司、大迫勇也、原口元気、22年/堂安律、浅野拓磨、田中碧)。
◆イタリア 日本人は現時点で1部パルマGK鈴木彩艶(ざいおん)のみ。日本人GKとして初のセリエA挑戦となった昨季は、高い身体能力とフィード力を武器に正守護神の座を獲得。リーグ38試合中37試合に出場し、チームの1部残留に貢献した。オフにはプレミアのマンU、ドイツのバイエルンなどのビッグクラブからの関心も報じられた。優勝争いはMFデブルイネらを積極補強した昨季覇者のナポリ、昨季CL準優勝のインテルが中心。