J2北海道コンサドーレ札幌MF荒野拓馬(32)がレジェンドの教えを若手に注入し、新体制初戦を勝利で飾りにいく。札幌は14日、ホーム・秋田戦(16日)に向け、宮の沢で調整した。

契約解除の岩政監督に代わり、11日に就任した柴田慎吾監督(40)の下で初の戦い。3試合ぶり先発の可能性もある荒野は「最初は大事なので。責任を持ってこの状況を支えていきたい」と強い自覚を持ち、けん引する。

 12年のプロ入り後、2度、シーズン途中での監督交代を経験した。14年は8月に財前恵一氏からバルバリッチ氏、翌15年には7月に四方田修平氏へ、2年連続で指揮官が代わった。その際に同僚だった元日本代表MF小野伸二にかけられた言葉が、脳裏によみがえった。

 「日々の練習もそうだし、1つの試合、1つのプレーで結果を出さなかったことで、こうやって監督が責任を取ることになる。人の人生も背負っているっていうことを重く感じながらプレーしていこう。そういうアドバイスを伸二さんからもらったことを、思い出した」

 残り13試合での指揮官交代という事態に、先発で起用されている21歳のDF西野奨太や20歳のMF原康介には「毎試合、そういった気持ちでやっていない」と先輩の言葉を熱く伝授しながら、更なる発奮を促した。「みんなが同じ絵を見ながら前進できるように、声はかけていきたい」。プレーオフ圏の6位鳥栖から勝ち点8差という状況を脱するため、厳しさも植え付ける。

  道のりの険しさは分かっているが、前だけを向く。

「まずはチームがベースとする、走り、戦い、規律を守ること。強い気持ちを持って、一人一人が目の前の相手に負けないように戦わないと」。荒野が先頭に立って闘争心を押し出し、流れを変える。(砂田 秀人)

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