◇J2第26節 秋田2-0札幌(16日・大和ハウスプレミストドーム)

 監督が代わっての初戦となった秋田戦は、選手も危機感を持って臨んでいたと思う。ただ全員で攻めて全員で守るという、シンプルにやってきた相手の勢いに上回られてしまった印象だ。

こういう状況で必要なのは泥くさくファイトすることなのだが、きれいにサッカーをしすぎていた。

 柴田監督は本当に難しい時期に就任した。クラブが描いていた長期的なビジョンの中に、ミシャ(ペトロヴィッチ元監督)がいなくなった後にどうするかという考えがなかったから、こういうタイミングになってしまった。短い指導期間で、高嶺と宮をけがで欠く厳しい状況の中、全員が動いてチャレンジし、攻撃的な面を活性化させようとしたことは伝わってきた。

 ただどのDFが厳しく行くかという点は、決めごとを定めた方がいい。顕著だったのが1失点目。原がミスして相手にボールが渡り、フリーの状態でミドルを決められた。自分のミスなのだから自分でチェックに行かなきゃダメな場面。後ろに人数がいるから何とかなると思ったのかもしれないが、あのような「ぬるさ」は払拭(ふっしょく)してほしい。

 自動昇格は正直厳しくなったと言わざるを得ないが、プレーオフ圏などまだ上に行けるチャンスは十分にある。選手を育てるのも大事だが、柴田監督には思い切ってやりたいサッカーをしてほしい。まずはシンプルでいいから「こうしよう」と伝えていくこと。

どんな指示を出しても戦えない選手が複数いたら勝てないことは、秋田戦で証明されている。ビビりながらプレーしていたり、プレスの遅い選手などはどんどん代えていくべきだ。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)

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