将棋の永瀬拓矢九段が藤井聡太王位=竜王、名人、王座、棋聖、棋王、王将=に挑む第66期王位戦七番勝負第4局が20日、福岡・宗像市の「宗像ユリックス」で前日から指し継がれ、永瀬が130手で藤井を下して棋戦初勝利。第3局まで3連勝していた藤井の6期連続戴冠は次局以降へとお預けになった。
永瀬が一矢を報いた。午前9時過ぎに72手目の封じ手を開封。当初は五分の形勢だったが、中盤から盤上をリードする展開とすると、危なげなくゴールへと突き進んだ。前日は天井のスピーカーから無関係な男女の音声が流れ込むアクシデントにより、対局が中断されるアクシデントがあったが、影響を感じさせなかった。
対藤井のタイトル戦七番勝負は昨年度(今年1、2月)の第74期王将戦、今年度(同4、5月)の第83期名人戦に次ぐ3度目。いずれも開幕3連敗を喫し、第4局で一矢を報いてはいるが、第5局で敗退となっている。なお20年度(21年1~3月)の第70期王将戦でも渡辺明王将(当時)に3連敗から第4局で初勝利。第5局も勝利したが、第6局で敗れている。
次局は今月26、27日に徳島市の料亭「渭水苑」(いすいえん)で指される。永瀬は三度目の正直で、●●●〇●のジンクス打破、そして崖っぷちからの棋戦初タイトルを手にすることができるか。
永瀬九段「角換わりの定跡系で手順を入れ替えるのが工夫だった。(序盤は)ペースを落とし駒組みにして王様を少し囲える展開までいったが、固くなっているか微妙だったので、指してみないと分からないと思っていた。
藤井王位「中盤戦はかなり選択肢が多く、難しい将棋になった。(次局へ)しっかりと切り替えて頑張りたい」