落語家の桂福團治が21日、大阪市内で「桂福團治芸歴65年記念公演」(11月29日、大阪松竹座)の取材会に出席した。

 上方落語界最古参の福團治は「60周年の時も松竹座でやらせていただきまして、60年間やってきた思い出体験をお話させていただきました。

今回も色々と考えています。当日のお楽しみです」と笑った。今は身にあった舞台になってきていると語り「人情落語を今やっておりますので、その中に含まれた話や人の情というものを、これから伝えていきたい」と意気込んだ。

 今年10月26日で85歳を迎える。声のハリ、肌つやもいいが、健康の秘訣(ひけつ)として散歩を挙げた。「運転免許証を返納してから歩くようになりました。1駅手前でおりて歩くとかね。立ち上がると腰が痛いんです。病院にしょっちゅう行っていたんですよ。ドクターも『この年齢だから大丈夫です』って。そう言われると安心しますよ」とほほ笑む。般若心経を10回唱えたり、時にはカラオケにも行っており「これが滑舌のトレーニングになっているのかな」とほほ笑む。

 60周年からの5年間は、世の中のコロナ禍もあり、大きく変化した。福團治が行っていた全国での公演も次々と中止となり、今後については「65周年が終わったら、すべての地位、名誉、財産などは求めない。全国を回りながら皆さんにお話を聞いてもらう。そういうのが一つの夢です」と目標も掲げた。落語を「総合個人プレー」と例え「これからも日本の伝統文化として続けていくべきだし、伝えていくべき。我々の使命でもあると思っています」と力強く語った。

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