海外、地方の名手とJRAのトップジョッキー14人が争う「2025ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」が、23、24日に札幌競馬場で行われる。地方代表で初出場する船橋の本田正重騎手(37)は、通算1415勝で、テン乗りも得意とする名手。

「これまでは見るだけだった」という舞台で「JRA初勝利がしたい」と意気込んでいる。

 船橋の名手が、その手腕を存分に見せつける。「これまで見るだけだった」というWASJ。地方代表の本田は「参戦できるのはうれしいですね」と意気込む。

 金沢競馬場で5月26日に行われた予選は、全国のリーディングジョッキー12人が参戦。名手ぞろいとあって、初戦から激戦となった。本田は初戦の7Rを3番手追走から直線で突き抜け、1馬身半差で勝利。2戦目の9Rで7着、最終戦の11Rは4着で、合計48ポイントを獲得して総合優勝を果たした。

 23年の浦和記念をディクテオンで制するなど、テン乗りでの勝負強さに定評があるが「まさか、自分が優勝するとは思わなかった」と、誰よりも驚いている。秘訣は「先入観を持たないこと」だと本田。「前走などを見てイメージをつくり過ぎると、同じようなレースをしないと、と思うかもしれない」と、レース前でも、競馬新聞をサラッと見るだけだ。

 南関東から地方代表が出たのは19年の的場文男(大井)以来で、決戦の地となる札幌競馬場での騎乗は今回が初めて。

4戦中3戦は不慣れな芝で行われるなど、プレッシャーがかかりそうなものだが「芝でのレースは気持ちいいですよね」と、まったく気負いがない。

 23、24日の2日間はWASJの4鞍のほか11鞍に騎乗予定。これまで、JRAでの最高着順は24年クロッカスSと、同年の1勝クラスでの4着が最高だ。「できれば、JRA初勝利がしたい」と目標を掲げる。

 地方所属の騎手の優勝は94年石崎隆之(船橋=所属は当時)、97年川原正一(笠松)、01年鮫島克也(佐賀)と地方通算5000勝以上を挙げたレジェンドに、05年岩田康誠(兵庫)の計4人。「スゴイ人ばかりですよね。ワクワクするし楽しみたい」と、自然体で5人目の優勝を目指す。(志賀 浩子)

 ◆ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ) 87年にワールドスーパージョッキーズシリーズとして始まり、15年から現在の名称で夏の札幌で行われている。外国人騎手6人と地方競馬所属騎手1人、JRA所属騎手7人の計14人が出場し、全4戦で個人戦(1位賞金300万円およびトロフィー)と、JRA選抜とWAS選抜(外国騎手・地方競馬代表)による団体戦(優勝チームに賞品)を行う。

 ◆本田 正重(ほんだ・まさしげ)1988年3月5日、東京都生まれ。37歳。千葉県騎手会所属。

2005年10月24日デビュー。地方通算1万2563戦1415勝。重賞は17年ジャパンダートダービー・JpnI(ヒガシウィルウィン)など24勝。

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