NHKは21日、agraph(アグラフ)名義でも活動している音楽家の牛尾憲輔氏が、9月29日スタートのNHK連続テレビ小説「ばけばけ」(高石あかり主演、月~土曜・前8時)の音楽を担当することを発表した。

 作品は「怪談」で知られる小泉八雲の妻・セツをモデルにした松野トキを描いた物語。

音楽に抜てきされた牛尾氏は「脚本のふじき(みつ彦)さんが『何も起きない』と称された物語の音楽を作っています。それは何も起きない、ただただ、たわいもない時間のことかもしれません。小さく繊細で、でも愛おしい、何気ない日々。仰々しくもなく、華々しくもなく、鬱々(うつうつ)ともしない音楽です。何とも肩の力の抜ける宣言で恐縮ですが、何だか作曲がとても楽しいです。ぜひ一緒に楽しんでいただけるとうれしいです」とコメントした。

 牛尾氏は2008年12月にソロユニット「agraph」としてデビュー。14年にはテレビアニメ「ピンポン」で初めて劇伴を担当。その後も「ダンダダン」「チ。一地球の運動について―」などの劇伴を手がけている。

 牛尾氏の音楽について、制作統括の橋爪國臣氏は「ドラマの映像に音楽を合わせた時に、圧倒的な没入感を感じました。『ばけばけ』という日常を紡いでいくストーリーの中で、繊細な音や質感が、登場人物のちょっとした感情のゆらぎをありありと描き出してくれます」と絶賛。

「牛尾さんの音楽が、この物語を皆さんの心に深く、長く響かせてくれることを確信しています」と話した。

編集部おすすめ