アマチュアボクシングを統括する日本ボクシング連盟は22日、都内で会見を開き、今月8日に練習中の39歳男性がスパーリング後に意識を失い、急性硬膜下血腫で開頭手術を受けたことを報告した。男性は現在も意識が戻らず。
ボクシング歴のある男性は11年ぶりに競技復帰を目指し、5月頃から始動。7月頃から強度を上げ、今月6日に軽めのスパーリングを行い8日の練習に臨んだという。同日は3分のスパーリングを4回を行う予定だったが、3回で切り上げ、座って休んでいたところ声かけに反応せず。すぐに近隣病院に運ばれ、手術を受けた。当時の状況を確認した仲間会長によれば、男性はヘッドギアを着用し「大きいグローブ」でスパーリング。ダウンはなく、強打を続けて打たれることもなかったと説明した。
仲間会長によれば、男性は2008年に一度練習中に頭痛を訴え、受診したところ小さな硬膜下血腫で経過観察入院の過去があった。アマチュアボクシングでは既往歴のある選手は競技復帰ができないが、今回自己申告はなく、発見に至らず。「周囲の誰かに競技復帰できないと、言われたことがない状態。危険意識があいまいなまま、練習を再開してしまった」とした。今後連盟は、35歳以上での競技復帰、また引退から5年以上たっての競技復帰の場合は、MRIの画像健診を求めるルールを明確化するという。
ボクシングでは、プロで2日に東京・後楽園ホールで行われた興業に出場した2選手が急性硬膜下血腫で死去。20日の臨時理事会では、KO負けした選手に対する90日間の出場資格停止期間を厳格化し、CT検査を受けた場合に60日間に短縮される特例の廃止を決定した。アマチュア選手の全ての管理は難しいとした上で、仲間会長は「もっとわかりやすくアナウンスすることが大事。統括団体として示していくことで、安全意識を高めていく」と述べた。