◆女子プロゴルフツアー CATレディース 最終日(24日、神奈川・大箱根CC=6652ヤード、パー72)

 プロ4年目の桜井心那(ここな、21)=ニトリ=が、2年ぶりとなる5勝目を挙げた。3バーディー、3ボギーの72で通算9アンダーとし、初日から3日間、首位を譲らない完全優勝。

終盤に自身を含む6人が首位に並ぶ大混戦を制した。23年に史上3人目の10代年間4勝を飾ってから一転、昨年の低迷を経て復活Vを遂げ、賞金1440万円を獲得。初めてキャディーを務めてもらったツアー7勝の吉田弓美子(38)=アマノ=と涙で喜びを分かち合った。

 緊迫の終盤、桜井はキャディーの吉田の思わぬ言葉で火がついた。「早く帰りたいから、分かってるよね(笑)」。17番を終えて6人が首位に並び、長時間のプレーオフもよぎった18番パー5。「心拍数が上がっていた」と、左バンカーから第3打を50センチに寄せる会心の一打で勝負あり。バーディーパットを決めて抜け出すと両手を突き上げ、吉田とハグ。2年ぶり優勝に「肩の荷が下りて、ホッとした。苦しい状況を乗り越えられた達成感があった」と、うれし涙がこぼれた。

 復活Vだった。19歳だった23年に初優勝を含む4勝を挙げた。

宮里藍、畑岡奈紗に続く史上3人目の10代4勝。だが、昨年は1勝もできず、予選落ち12回と低迷した。「クラブもスイングもいじってグチャグチャ。苦しかった」。かつて松山英樹も教わった目沢秀憲コーチ(34)に昨年10月から師事。スイングや筋トレなどを見直し、目沢氏が持っていた約17年前のパターを今週投入し、3日間トップを走り抜いた。

 同じ03年度生まれの「ダイヤモンド世代」で竹田麗央(22)=ヤマエグループHD=が昨季国内8勝(TOTOジャパンクラシック含む)を挙げ、自身も目指す米ツアーで先に飛躍。「悔しいし、不安はあった」と言うが、スランプを経ての待望の優勝だ。「時間が動き出した。次はメジャーで勝ちたい」。桜井は高らかに宣言した。(星野 浩司)

 ◆桜井 心那(さくらい・ここな)2004年2月13日、長崎市生まれ。

21歳。父・一也さんの影響で6歳からゴルフを始める。21年11月、長崎日大高3年時にプロテスト一発合格。22年下部ツアー新記録の5勝を挙げ、賞金女王に。19歳だった23年は資生堂レディスで初優勝し、史上3人目の10代年間4勝をマーク。166センチ、62キロ。家族は両親と兄2人。

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