◆テニス ▽全米オープン(26日、米国・ニューヨーク)

 元ジュニア世界1位で、日本男子代表最年少出場記録を持つ予選勝者で、世界ランキング112位の望月慎太郎(木下グループ)が、全米初出場初勝利を挙げた。同125位のユーゴ・ガストン(フランス)に6-4、6-3、6-4のストレート勝ち。

「まだ実感がない。最後、苦しい中で(ゲームを)取りたい気持ちがあって焦った。ちょっと安心している」と、笑顔を見せた。9月8日発表予定の最新世界ランキングでは、自身初のトップ100入りも見えてきた。

 2本目のマッチポイントで、相手がダブルフォルト。望月は、その場で、右手でガッツポーズを繰り出し、喜びを体で表した。得意のネットプレーがさえ、課題だったフォアハンドもミスが少なく、守備に加え、様々な球種を操る相手を打ち抜いた。「相手もやらしく(自分を)走らせてきた。試合の中で(ミスをしても気持ちを)切り替え、成長できた」。

 勢いの差が、そのまま勝敗を分けた。望月は、6月ぐらいからツアー下部大会で上位に進出し、ウィンブルドンでは予選を勝ち上がり本戦で4大大会初勝利を挙げた。全米前哨戦のツアー下部大会では4強入りだった。

相手は、ウィンブルドンを含み、それ以降、8大会に出場し、2勝8敗。年頭、70位台だった世界ランキングも、望月より下位の125位にまで転落していた。

 望月は、2019年ウィンブルドンのジュニアで、日本男子史上初の4大大会シングルスに優勝する快挙で、ジュニア世界1位となった。錦織圭と同じく日本テニス協会盛田正明名誉顧問が設立したテニス基金の支援を12歳で受け、米フロリダにテニス留学。2021年にプロに転向した後はやや伸び悩んだが、ようやくその才能が花開いてきたようだ。

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