9月6日のハンドボール・リーグH開幕を前に、昨季3位のアランマーレ富山は27日、富山市内で公開練習を行った。昨シーズンは結婚、出産のため、登録を抹消していたエース、横嶋彩(35)が復帰。

練習では別メニューとなったが、軽快な動きやパスワークを披露した。8月22~24日の国民スポーツ大会北信越予選にも急きょ、出場して優勝に貢献。横嶋は「やっぱり楽しかったです。ウェートトレーニングの重量も徐々に増え、ちょっとずつ体力は戻ってきています」と明るい笑顔を浮かべた。

 司令塔兼エースとして大活躍し、日本代表として東京五輪にも出場。強豪の北国銀行でプレーし、2021年にアランマーレ富山に移籍した。22―23年シーズンは日本リーグで171得点を挙げて4度目の得点王を獲得。昨シーズンは選手登録を抹消したが、チーム練習には参加してきた。「女性アスリートは結婚、出産で、好きなことを諦めることも多いが、続けられることを知って欲しい。臨月の頃まで、シュートやランパスを普通にやっていました」と苦笑い。夫の理解と協力も得られ、現役続行の準備を続けてきた。

 2月下旬に出産後も、2か月後からトレーニングを再開。

今月から復職し、子育てをしながら仕事、練習と忙しい日々を送る。「夜泣きすることもあり、睡眠不足の時もある。子供が中心となって、なかなか時間通りに出来ない。体の強度も以前の半分、3分の2しか戻らないかもしれない」と不安も口にする。出産後の体の変化に戸惑いもある中、焦ることなくリーグ開幕後も徐々に調子を上げていくつもりだ。

 取材中に求められたサイン色紙には「ママで日本一」と力強く書き込んだ。今までリーグ通算1059得点をマークしており、元オムロンの藤井紫緒さんが記録した歴代2位の1071得点まであと12ゴールに迫る。「今までよりプレータイムも少なくなるが、得点ランキングに絡みながら歴代2位を狙いたい。子供にはアスリートとして活躍している姿を見せたいですね」と横嶋。“リーグ最強”ママが、さらなる高みを目指す。(中田 康博)

 〇…今季、ハンガリー1部のチームから移籍加入した秋山なつみ(31)は、リーグ開幕に向けて順調な仕上がりを見せた。昨シーズン終了後は欧州を中心に、複数チームと交渉していたが、一番最初に契約がまとまったアランマーレに移籍を決意。

4季ぶりの日本復帰となるが「プレーオフ圏内で優勝が狙えるチームでプレーしたかった。日本のリーグのレベルはわからないが、自分を必要としてくれたチームの期待に応えたい」と闘志を燃やす。

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