◇J2第28節 札幌1-0大宮(8月30日・大和ハウスプレミストドーム)

 試合の入りは押される格好でどうなるかと思った大宮戦だったが、後ろが本当に頑張っていたし、前線で長谷川を中心にかけるプレスが効いていた。前半20分くらいまでは相手のシュートミスに助けられもしたが、その後に主導権を持って来られたプレーが1つあった。

 前半23分、自陣から高嶺がセンターライン付近の長谷川に縦パスを入れ、通ったシーンがあった。そこからのカウンターは得点にこそならなかったが、長谷川のポジショニングと動き出しの良さから生まれたプレーをきっかけに、大宮のDF陣に危機感を植え付けることができた。相手はうかつにボールを奪いに行けなくなり、流れを引き寄せた。素晴らしい戦いを見せてくれたと思う。

 柴田監督に代わって、長谷川のような気の利く選手がスタメンで起用されるようになり、前も後ろも自分の仕事に専念できている。今の攻撃のリーダーは間違いなく長谷川。細かいところでもボールを失わないし、札幌のサッカーにしっかり順応してきている。あとはシャドーの位置に入っているのだから明確な結果を残してほしい。彼が更に上を目指していけば、チームもより良くなっていく。

 次の試合までの2週間は、どのチームよりもタフに練習していくことが必要。今までのようにやっていても10位前後の結果に終わることは今の成績が示している。練習量が足りていなかったのは、ここまでの試合内容を見ていれば明らかだったのだから。

90分をフルに戦える組織をつくり上げ、残り10試合をやり切ってくれたら、結果はおのずとついてくる。

(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)

編集部おすすめ