アカペラグループ「RAG FAIR」の土屋礼央が1日、都内で10作目のエッセー「捉え方を変えてみたら大抵の事が楽しくなった僕の話」の発売記念取材会を行った。
発売日でもあるこの日は49歳の誕生日。
誕生日に新たにエッセーを発売することについて「前の本をだしたのは4年ほど前だった。もう本を出す機会はないのかなと思っていた。10冊目が出せたのはうれしい。誇らしい。誕生日に本を出せることは幸せ」と喜び、49歳という年齢については「49って数字だけ見るとびっくりしますよね。でも、思った以上に自分でも受け入れられている。この本を出したことによって今堂々と49歳ですと言える。僕はまだ人生半分あると思うので、この年にこの本を出せてよかった」と語った。
アーティスト土屋が、人生でぶつかった数々のモヤモヤや挫折から「気づき」を得て、物事の「捉え方」を変えたことで日々がラクになった実体験をつづる同書。「発声障害を10年ほど前に患ってしまって、それでもどん底の状況でも家族を養っていかなきゃいけない。それで、この状況を楽しんでいかなきゃいけないと捉え方を変えたら、苦しい状況でもいろんなことが見えてくると自分も感じられた。
患った発声障害について、「今ちょっとずつ歌えるようにようやく道が見えてきたんですけど、ずっと歌えてこなかった期間が長かった。『志半ばで…』と苦しむならば、一度登頂し下山をした人間だと思うことで、この山をこれから登りたいと思う後輩にアドバイスできるのではないかとか。一度成功者としてとらえることで、発想、選択肢の幅が広がった」と自身の考えを変えたことを明かした。
さらに、「発声障害を元に戻したいとずっと思ってたんですが、この状況を受け入れて、発声障害と相棒、仲間の感覚になったら自分の声がほんとにいとおしく思って、歌がより楽しくなってる」と「発声障害」とのつきあい方を語った。