松本好雄氏の突然の訃報(ふほう)を受けて、中山馬主協会会長の西川賢氏が故人への感謝と思い出を明かした。松本氏が会長を務めていた中央競馬馬主相互会の会長代行でもあり、8月26日に電話でやり取りしたのが最後の会話になってしまったという。
西川氏が2008年に中山馬主協会の会長に就任した当時、松本氏は日本馬主協会連合会会長の要職にあり、その温かい人柄に間近で接してきた。「いろんな方々の意見があって言い合いのケンカになったりすることもあったなかで、本当に私を頼りにしてくれました。馬主として競馬会とやり取りするなかでも、頭が切れるトップであり、なおかつ調和の取れる方でした。日本一の連合会長だったと思います」と、在りし日に思いを寄せた。
長年にわたり、北海道の浦河や日高を中心に馬産地の振興にも努めてきた方で、西川氏は秘蔵エピソードも明かした。「メイショウサムソンのお祝いのパーティーをしようという時に、歌手の北島三郎さんを呼びたいというので私に相談してくださって、忙しいなか北島さんに来てもらったことがありました。『金に糸目はつけん!』とまで言って、とにかく馬産地の方々など馬に携わる人たちが喜んでくださることを何より考えてのことだったと覚えています。馬産地の人に頼まれれば、それならと馬の面倒をみて、誰もが男気を感じていたと思います」と、長年の貢献に敬意を表した。