◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 井上尚弥―ムロジョン・アフマダリエフ▽WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 武居由樹―クリスチャン・メディナ▽WBA世界ミニマム級(47・6キロ以下)王座決定戦12回戦 高田勇仁―松本流星(9月14日、名古屋・IGアリーナ)

 世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=が2日、横浜市の所属ジムでWBA世界同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30)=ウズベキスタン=との防衛戦に向けた練習を公開。前日(1日)のアフマダリエフの「(井上を)総合力で上回っている」との発言を受け、「そこに関しては、ちょっと的を外しているなと。

総合力は絶対に負けてないと思うんで」と一蹴した。

 アフマダリエフは1日の公開練習前の会見で、井上を上回る点を問われ「パンチ力、技術、耐久力、考える力、私は総合的にすべてを持っている」と豪語していた。井上は、2016年リオデジャネイロ五輪銅メダリストの元トップアマでもあるアフマダリエフに対し「プロのキャリアとしてはそこまでない(15戦)が、やっぱりアマチュア時代に世界を飛び回って試合をしている選手だけあって、やっぱり落ち着いてるし、すごい自信に満ちあふれた表情している。そういう選手ほどそういう(大きな)試合に強いと思うので、そこはまた自分も(公開練習の)映像を見て引き締まった」としながらも、総合力では「絶対に負けていない」とプライドをにじませた。その上で「唯一、アフマダリエフの怖いところは、やっぱりフィジカル面、パワーだと思う」と警戒すべきポイントを挙げた。

 井上はこれまで、アフマダリエフを「キャリア最大の強敵」と表現してきたが、その思いは今も「変わらない」という。「フルトン戦、ネリ戦以来というか、もちろんその時、それ以上に集中力を高めている」と話した。

 これまでにない万全の準備で試合に臨む。先月25日までの1か月間、23年4月にアフマダリエフに唯一の黒星をつけた元WBA&IBF世界同級統一王者マーロン・タパレス(33)=フィリピン=とスパーリングを行った。さらに名門・帝拳ジムが誇る4人のサウスポーの地域王者とも拳を交えた。8月上旬には帝拳ジムでプロデビュー後初、13年ぶりとなる出稽古を敢行。日本バンタム級王者・増田陸(27)、WBOアジアパシフィック・フェザー級王者・藤田健児(31)とスパーリングを行った。

大橋ジムでは、WBOアジアパシフィック・スーパーバンタム級王者・村田昴(28)、東洋太平洋フェザー級王者・中野幹士(29)ともスパーリングを重ねた。

 「今回はスパーリングパートナー、スパーリング内容を含め、トータル的にすごくいい内容でここまでトレーニングを積めてきた。帝拳ジムさんにも協力をしてもらい、初心に戻るというか、新たな気持ちで今回試合に挑めている。この試合が終わって、練習の成果を実感してくると思う。すごく意味のあるトレーニングをしてきた」

 現在のコンディションについても「これ毎度言ってるが、過去イチですね。聞き飽きたかもしれないですけど」と笑顔で報告した。「キャリア最大の強敵」を、「過去イチ」の井上尚弥で迎え撃つ。

 戦績は井上が30戦全勝(27KO)、アフマダリエフが15戦14勝(11KO)1敗。

 試合はNTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で無料配信される。

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