舞台を中心に活躍する俳優の村井良大(りょうた、37)が、主演舞台「ザ・ポルターガイスト」(14~21日、東京・本多劇場)で一人芝居に初挑戦する。このほど、一人11役を演じ分ける本作の意気込みを語った。

 高校時代に「なぜだか、ふと『俳優って面白いかも』と思いついた」ことを契機に、芸能界に飛び込み20年目。60作以上の舞台出演で培った演技力で、ミュージカル「RENT」「この世界の片隅に」など名作にも引っ張りだこの実力派だ。

 画家サーシャの葛藤と再生を描く「ザ・ポルターガイスト」は、男女11人が登場する会話劇で「窒息しそう」なほど膨大なセリフに挑戦。約3か月かけて全登場人物の言葉を体にしみこませ「僕は本来、共演者が発するものを受けて芝居する“受動態俳優”だと再認識した。今回は一人で発信しなければならない。弱点を知り、ようやく自分に出会えた」と発見の連続だ。

 「究極の一人話芸」という落語からもヒントを得て、表現の精度を高めており「一人芝居は肉体的な接触がない分、肝になる想像力を膨らませる作業を最後まで楽しみたい」。試行錯誤を重ねた一人芝居は村井の真骨頂であり、新境地となりそうだ。(奥津 友希乃)

 ◆村井 良大(むらい・りょうた)1988年6月29日、東京都生まれ。37歳。2006年、舞台「赤毛のアン」で俳優デビュー。07年、テレビ神奈川などで放送された「風魔の小次郎」でドラマ初主演。

09年、テレビ朝日系「仮面ライダーディケイド」に主要キャストで出演。舞台「デスノート」「手紙2025」など多数の話題作で活躍中。身長170センチ。

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