◆明治安田J2第29節 いわき5―1札幌(13日・プレド)
退場者2人が出たことが響き、北海道コンサドーレ札幌が3試合ぶりに黒星を喫した。ホーム・いわき戦は前半29分、MF白井陽斗(25)のゴールで先手を奪うも、同36分にMF荒野拓馬(32)が一発レッド。
今季最多タイとなる5失点の敗戦も、札幌の選手に送られたのは大きな拍手だった。数的不利の中、最後まで得点を狙い、体を張り、前に出た。GK高木駿(36)が「戦う姿勢は最後まで見せられた」と口にした思いは、1万1000超えの観衆に伝わっていた。
序盤の猛攻を耐え、前半29分に先制点を挙げた。ゲームプラン通りに進んでいたが、7分後にMF荒野が危険なタックルと判断された一発退場で、潮目が変わった。前半44分に追いつかれ、後半早々に逆転された。更にマリオが相手を故意に踏む反則でピッチを去ると、失点を止めることはできなくなった。MF高嶺朋樹主将(27)は「2人退場するとさすがに厳しい」と険しい表情で振り返った。
必勝を期した戦いも、予期せぬ形での敗戦。次節は退場した2人の他、MF宮沢とFWバカヨコも警告の累積で出場停止となる。プレーオフ圏への道のりは険しいが、試合後の柴田慎吾監督(40)から飛んだ「色んな感情はあると思うが、しっかり顔を上げていこう」と言うゲキに、皆が真摯に耳を傾けた。「可能性がある限り、やるのが選手なので」。残り9戦へ、高嶺主将が全員の消えぬ闘志を代弁した。(砂田 秀人)