◆明治安田J1第29節 清水1―0新潟(13日・デンカS)

 清水エスパルスはアウェーで最下位の新潟に1―0で競り勝ち、5試合ぶりの白星を挙げた。前半16分、クロスに反応したFW高橋利樹が2戦連発弾。

エースのFW北川航也主将(29)を出場停止で欠く中、今夏加入したストライカーが貴重な先制点をもたらした。守備もGK梅田透吾を中心に踏ん張り、今季9度目の無失点。順位は13位のままだが勝ち点を36とし、18位・湘南との差を11に広げた。

 待ちわびた光景が眼前に広がっていた。同じチームカラーの“オレンジ対決”。制したのは土俵際で踏ん張った清水だった。主将を務めるなど現役時代を過ごした古巣から今季連勝を飾った秋葉忠宏監督(49)は「肉体的にも精神的にもタフに戦った」と選手をたたえた。

 乗っているストライカーが虎の子の1点をたたき出した。前半16分、FW高橋利はハーフライン付近で縦にボールを出すと、一気にゴール前へ。最後はDF山原怜音が送った左クロスに飛び込み、スライディングしながら泥くさく押し込んだ。「いい形で崩せた。信じて(ゴール前に)入った」。

前節(8月31日)の鹿島戦(1△1)に続く一撃で、リーグ中断期間に行われたJ2磐田との練習試合も含めれば“3戦連発”の大当たり。指揮官も「泥くささ、嗅覚が素晴らしい」と目を細めた。

 献身的姿勢は誰もが認める。持ち場は最前線ながら相手センターバック(CB)にプレッシャーをかけ続け、守備でも2試合ぶりの無失点に貢献。「新潟はうまいCBがいる。前から行かないと対角のボールを蹴られてしまう」と予告していた通りに役目を果たした。

 終盤は新潟に押し込まれる場面が続き、12分と表示されたアディショナルタイムはピンチが続いたが梅田が好セーブを連発。7月以降の公式戦7試合中5試合を0で終えている守護神は「クロスに体を張ってくれているのはDFのみんな」と仲間に感謝した。

 アウェーでの勝利は4月29日のFC東京戦以来。勝ち点は36となり、残り9試合で降格圏の18位・湘南とは11差に開いて残留が視界に入ってきた。次節(20日)のアウェー京都戦からはホーム・浦和戦(23日)、アウェー・神戸戦(27日)と3連戦が待つ。「入りからしっかりやれば勝てる」と高橋利。

上位勢を立て続けに食らい、目標の1ケタ順位まで上昇していく。(武藤 瑞基)

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