俳優の吉沢亮がこのほど、韓国・釜山で開催中の第30回釜山国際映画祭で主演映画「国宝」(李相日監督)が上映され、舞台あいさつに登壇して韓国語で自己紹介した。

 約1年半の猛特訓で女形の歌舞伎俳優を演じたことについて、吉沢は「稽古を重ねれば重ねるほど、歌舞伎役者さんの深み、小さい頃から何十年も舞台に立って積み重ねている歌舞伎役者さんたちと並ぶということは到底無理な話だと、稽古を重ねれば重ねるほど実感していく日々でした。

その中でどうにか、やるしかないという覚悟と意地でどうにか必死になり撮影をしました」。李監督からの指示は「難しくて不可能な注文ばかりされました。しかし、一方でその注文は『役者なら乗り越えられる』という絶対的な信頼だと思いました」と振り返った。

 日本国内では興収142億円超の大ヒットとなっている。その要因について李監督は「歌舞伎は日本の観客にとっても皆さん当然知っていますが、そこまで見ている人は多いわけではないので、新しいものを発見できる映画だったと思います。歌舞伎役者ではない俳優たちが、まるで歌舞伎役者のように非常に長い時間をかけてトレーニングをし、歌舞伎役者の感情をキャラクターに溶け込ませたため、役者の方々の真剣さが観客の皆さんにも届いたのではないかと思います」と解説した。

 さらに李監督は「歌舞伎は、どの国の人でもその美しさと伝統、歴史を感じることができる芸術だと思います。国や人種を問わず感動できる映画だと思っています」とアピールした。

 また、10月3日から5都府県(東京、神奈川、愛知、大阪、沖縄)で英語字幕版の上映が決定。TOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ六本木ヒルズ、TOHOシネマズ新宿、109シネマズプレミアム新宿、TOHOシネマズ池袋、横須賀HUMAX シネマズ、ミッドランドスクエアシネマ、TOHOシネマズなんば、シネマライカム、ユナイテッドシネマPARCOCITY浦添の計10館で上映する。

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